2007年05月12日

診療圏調査書の読み方講座5

前回でこの講座は一応終了しますが、最後に「聞き取り調査」について書きます。この点については、余り書きたくないのですが(企業秘密ですから)、業界の発展のために(^^ゞ、あえて書きます。
11日拍手を頂いていました。ありがとうございます。「聞き取り調査(ヒアリング調査)」とは、文字通り,診療圏の内外に住んでいる又は通勤している人達から、一定の事項を聞くことです。一定の事項とは、「どこの医療機関にかかっているか」、「評判の良い医療機関は」、「医療機関に対する要望」等々、調査目的との兼ね合いで各種の事項を聞きます。

この調査により、診療圏内の競合医療機関の各種の情報を得ることができます。私は、この調査を非常に重要視しています。なぜなら、それによりこの診療圏内の競合の程度・質、民度(いわゆる住民の医療に対する期待度、レベル)、住民ニーズが把握できるからです。特に競合医療機関の情報については、いろいろなことがわかります。業者さん達から得られない貴重な情報があらわれます。

この調査は、診療圏内全域を30人〜100人ぐらいの範囲で行います。この調査については、とても手間がかかるのでやっていない調査会社が多いと思いますが、是非やるべきだと思います。

この聞き取り調査については、面白い経験が数多くあります。機会を見つけて書いていきます。今日は、1つだけ紹介します。

数年前に都内で調査した時のことです。循環器科、内科で開業できるかどうか調査していました。診療圏内には、内科の競合が6軒あり、推定患者数は358人。したがって、均等割りで1院あたり50人という数字が出ます。1院あたり50人なので、悪くはありません。競合の院長先生の年齢は、高齢化が進んでいました。(平均年齢は、60歳)これは行ける!と考えました。

しかし、聞き取り調査の結果、意外な事実が判りました。それは競合の手ごわさでした。6件の競合の院長先生は、70歳、65歳、65歳、64歳、52歳、47歳ですが、65歳、65歳、64歳の院長先生方の評価がかなり高いのです。患者数も1日平均60人を超えているようなのです。評価の理由は、日ごろの患者さん達への対応のうまさでした。

これでは、立ち上がりに苦労すると考え、ここでの開業は止めました。現在の場所での1日患者数は、1年目32人、2年目52人、3年目61人です。まずまずの成績です。上記の場所で開業していたら、3年目でも30人ぐらいだった可能性が高いです。聞き取り調査を入念にした結果です。
posted by ハル at 19:17| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療圏調査(市場調査)について | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック